海富理さんは、七尾のお魚屋さん「　川端鮮魚」の看板娘。お魚屋さんの海富理さんは、特に夏と冬が忙しい。人をもてなすことが大好きな能登の人たちは、夏は祭、冬は正月…と、祝い事に「酒」と「肴（＝刺身）」が欠かせないのだ。もちろんお魚屋さんの海富理さんも「酒と肴」を愛するひとり。そんな海富理さんがめぐり会ったのは、偶然にも自分と同じ名前である「（鶴野）みどり」さんが杜氏頭を務めるお酒「谷泉」だった。そして不思議と縁が繋がって(鶴野)みどりさんと出会うこととなり、かねてからの願いであった「大寒（＝一年で一番寒い時期）」の「新月」の日の酒仕込みを試してみることとなった。実際その日に仕込んだお酒は、とてもいい出来に仕上がった。

　海富理さんの案内するとっておきの能登体験は、そんな特別な日の「酒造り」と「宴」も体験する冬の能登ならではのプログラム。大寒の新月という特別な日に、寒い酒蔵の中、湯気たつ酒米をほぐし、皆で祈りを込めて、酒を仕込む。そして仕込み終わった後は、囲炉裏を囲んで、美味しいお酒と季節の能登前のお刺身や能登牡蠣をいただく。能登の冬の厳しさも愉しさも一気に味わう体験だ。200年以上の歴史がある酒蔵で、昔ながらの手仕事で仕込む酒造りや、囲炉裏を囲んだ能登の宴にまるでタイムスリップしたような不思議な感覚を覚えるだろう。
　「酒と肴」、そして温かな宴。冬の歓びを存分に味わうひとときとなるにちがいない。（この日に仕込んだお酒は、飲み頃となる9～10月に、季節のお刺身とともに届きます。）

※大寒と新月が重ならない年の場合は、大寒に近い新月の日での実施を予定しております。