山田さん 私自身、31歳でこの土地に一人で来てますから、
まず地元の人の仲間に入れてもらおうという気持ちが強くて、
村の活動、青年団活動には最優先で参加しましたね。
ただ、不器用なのでそんなに上手な付き合いはできなかったんですけど、
とりあえず参加するようにしました。
田舎はコミュニティが強くて最初は入りにくいかもしれないけど、
地元に溶け込みたいという気持ちをもって、
人それぞれにちょうどよい距離感を保って、
無理のない付き合い方をすればいいんじゃないでしょうか。
あと、釣りをするには最高ですよ。 その季節ごとのおいしい魚が釣れるんです。
健康のためにもカヌーやマラソンなどにもチャレンジしています。
山田さん 自分は運がよかったと思います。
収入で言えば運良く自分のものが売れました。うまーく流れに乗れてよかったです。
だから30年間それほど苦労なくこの能登島で生活ができました。
あと、焼き物は火を扱うんですけど、能登島は火祭りっていうのがありますね、
実はここに引っ越してきた日が、その火祭りの日で、当日は体がくたくただったんですが、
そのお祭りの火を見上げた瞬間に「ここに来てよかった」って
大きな感動と運命を感じたのを今でも覚えています。
山田さん 人間だれも歳をとっていきますから、その問題は付いてきますよね。
ただ、今のところ、不便は感じてないです。
近くに診療所もあるし、足をのばせば大きい病院もたくさんあるので、安心しています。
普段はそんなに気にしていないけど今から思うと意外と医療が充実している町ですね。
高齢者施設も増えてますし、老後はそんなに不安を感じてないです。
山田さん 若い人には、「こういう仕事がしたい」という強いものがあると
生活もしやすく溶け込みやすいんじゃないでしょうか。
私自身は、この能登島という環境のいいところで焼き物をつくって、
それを皆さんに使ってほしいという思いがあったんですね。
それで、30年間ずっとやってこれたと思っています。
なので、これから来る方も、能登に来て何かを探そうというより、
能登に来てこういうことをやろうという強い意志で来られると良いと思います。