鈴木さん 私は生まれも育ちも神奈川県の茅ヶ崎という町の出身です。
版画との出会いは、茅ヶ崎市役所に勤めていた23歳の時に、
棟方志功という版画家の講演に行って、心にぐさっと来て、
それから版画に興味を持つようになりました。
それで、版画のサークル員の一人になって自分で版画をするようになり、
作品展に出品したりしていました。
それでだんだんアマチュアの域を超えたいと思うようになり、
一度きりの人生でやりたいことにチャレンジしたいという想いから、
仕事は楽しくて充実していたのですが、市役所を定年前に早期退職しました。
また、昔から畑をやりたかったというのもあって、
体力が残ってるうちにやらないとと思い、会社を辞めて
自分の第2の人生の場所として選んだのが能登でした。
鈴木さん 大学時代に民俗学を研究するサークルに入ってたんですよ。
それで、3年生の夏に輪島民族調査というのがあって、
それに参加したのがはじめての能登でした。
僕は、生まれも育ちも関東なので、能登とは文化が全然違って
カルチャーショックを受けました。
その中で、素晴らしい人達との出会いがあり、それからはよく通うようになりました。
そのとき出会ったわけではないのですが、妻も輪島の出身なので
盆と正月はこちらに来ていました。
鈴木さん 移住した時は毎日感動しましたよ。
海見て感動、朝日見て感動、夕日見て感動。
この感動が日常ですからね。
仕事は、農民版画家として、畑や執筆活動、版画活動をしています。
自己実現するための移住でしたので、やりたいことをできています。
鈴木さん 創作するには不便な方がむしろいい。
創作力をむしろ高めてくれるんですよね。
能登には能登の暮らしがあっていい。
僕はここを選んで住んでいますので、田舎には田舎の、
都会には都会のメリットもデメリットもあると思うんですよ。
大きな病院も近くにあり、それほど不便は気にはならないですね。
鈴木さん とにかく住んでみるだけでもいい。
あとはそこで喜びをどれだけ感じられるかですよね。
仕事に関しては、自分がやりたいからやっていてそれが仕事になったんですよね。
皆ができるかは分かりませんが、仕事は作るものだと思うんですよ。
能登は、それぞれの地域で壁があるけど、移住した人はそれは元々ないし、そんな壁をとっぱらっていけるといいと思います。
若い頃はまさかこんな人生を送ってるとは思っていなかったですね(笑)
何をするにしても、その時その時のやりたいことに情熱を燃やしてやっていくと良いと思います。